デレステのガシャ確率は本当に正しいのか?消費者には見えないガシャ確率を統計的に考える
twitterを眺めていたら、最近よく見るソシャゲ爆死記事を見つけました。今回目にしたのは1000連越えのデレステガシャをして目的のキャラ(橘ありす)のSSレアが出なかったということ。
多分これが目的のヤツです。
いましたいました。
提供割合を見てみると...
SSレアは1.5%、SSレアの種類は26種類。
ほうほう....
となると、目的のありすが当たる確率は単純計算で
と考えられます。
ここでは、何連して全くでなければ、この示されてる確率が怪しくなってくるか...
つまりは、何連して目的のキャラが出なかったら運営に文句言えるのか、を、検定していきます。
先の計算から、運営が示している(?)「はじめての表情」橘ありすが1回のガシャで当たる確率は
$$
p_0=\frac{15}{26000}
$$
になります。私たちは本当にこの確率なの?もっと低いんじゃないの?と疑ってるわけですので以下のように検定問題を考えます。
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
H_0 : p = p_0 = \frac{15}{26000} \\
H_1 : p < p_0
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
は帰無仮説、は対立仮説になります。これを有意水準5%で検定していきます。
統計量は
$$
T = \frac{\hat{p}-p_0}{\sqrt{\frac{p_0(1-p_0)}{n}}}
$$
になります。
ここで、棄却域を考える。
標本数は大きいと考えるのでこの統計量は標準正規分布に近似的に従う。
この検定は片側検定なので、有意水準5%で棄却域は
$$
T<-z(0.05)
$$
となる。つまり、統計量Tが標準正規分布左側5%の値よりも小さいなら帰無仮説は棄却され、運営側が提示している確率より、実際の確率は低いと言える。
これを用いて、何回引いて出ないならば運営に文句が言えるのかを考える。
n回ガシャして、1回もありすは出ないので標本比率はとなる。
これを用いて実現値は
$$
T^*= \frac{0-p_0}{\sqrt{\frac{p_0(1-p_0)}{n}}}
$$
これに、他の値も代入して先の不等式をnについて解くと
\begin{eqnarray}
\frac{0-p_0}{\sqrt{\frac{p_0(1-p_0)}{n}}} &<& -z(0.05) \\
n &>& z(0.05)^2\frac{1-p_0}{p_0} \\
\therefore n &>& 4659.3
\end{eqnarray}
となり、標本数が4660以上の時、帰無仮説は棄却されます。
以上から、SSレア各キャラの提供割合が等しいと仮定して計算した場合、上記の回数、4660回ガシャをして目的のカードが出なかったらまず、運営の表示している提供割合は正しいと考えることは統計的にはできません。
つまり、今回のありすPさんは1000連越えのガシャを回して出ていませんが、この試行回数ではまだ運が悪かったと言わざるを得ません。
ありすのガシャ出現確率は上がっているそうですが...それでもほんのすこしでしょう...。4000ガシャは覚悟したほうがいいのかもしれません。
現状、デレステ運営に文句をいうことはできないということになります。
さてところで、デレステ運営に文句を言える4660回ガシャをするにはどれくらいお金がかかるのでしょうか....
すべて有償ジュエルで賄うとして考えます。
上の画像を見てみると8400個9800円がおそらくいちばん単価が小さいのだと思われます。(PS4の最新ゲーム1つ買える...)
一回のガシャに必要なスタージュエルは250個。4660回ガシャしたいので
$$
250 \times 4660 = 1,165,000
$$
1,165,000個のスタージュエルが必要になります。これを満たす数8400個9800円のスタージュエルのセット数は
$$
1165000/8400 \simeq 138.7
$$
より139セット買う必要がある。
つまり、運営に文句を言える4660回ガシャを引くためには
$$
9800 \times 139 = 1,362,200
$$
より約136万2200円の課金が必要になってきます。(うわあ....)
100万以下の課金はぬるいと...そういうことですかね...
目的のキャラを当てようと思って課金するのは完全に泥沼ルートです...
ソシャゲの闇は深い。