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統計,確率のお勉強

統計学を主に勉強しています。勉強したことをアウトプットしていきます。 (※数式はMathJaxにより描画されています。ロードに少し時間がかかることがあります。)

Study Probability & Statistics

確率統計とアクチュアリーサイエンス

平均μ、分散σ^2共に未知の場合の尤度比検定(正規分布)

統計学(検定)

この検定方法の導出がなかなかに骨が折れるものでした...
定着のためにも載せておこうと思います。

尤度比検定

ここで用いる尤度比検定の基本的な内容については以下を参照してください
doratai.hatenablog.com尤度比検定 - 統計,確率のお勉強

問題

正規母集団の平均に関する検定において、母分散\sigma^2を未知としたとき、以下の検定問題

\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
H_0 : \mu = \mu_0 \\
H_1 : \mu \neq \mu_0
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
の検定方法を導く。

導出

ともに未知の平均と分散\mu,\sigma^2の正規母集団からの互いに独立した標本をX_1,X_2,\ldots,X_nとし、有意水準\alphaとする。
正規母集団N(\mu,\sigma^2)にしたがっているので、母集団の分布は

f(x;\mu, \sigma^2) = \frac{1}{\sqrt{2 \pi}\sigma} \exp(-\frac{(x - \mu)^2}{2\sigma^2})

で与えられる。尤度比を\lambdaとすると、
 {
\begin{eqnarray}
\lambda & = & \frac{\max_{\sigma^2} \prod_{i=1}^n \frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma}\exp(-\frac{(x_i-\mu_0)^2}{2\sigma^2})}{\max_{\mu,\sigma^2} \prod_{i=1}^n \frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma} \exp(-\frac{(x_i-\mu)^2}{2\sigma^2}) } \\
 & = & \frac{\{ (\frac{1}{2\pi \hat{\sigma}_0^2})^{\frac{n}{2}} \exp(-\frac{1}{2\hat{\sigma}_0^2} \sum_{i=1}^n (x_i - \mu_0)^2) \}_{\hat{\sigma}_0^2 = \frac{1}{n}\sum_{i=1}^n (x_i - \mu_0)^2}}{\{ (\frac{1}{2\pi \hat{\sigma}_1^2})^{\frac{n}{2}} \exp(-\frac{1}{2\hat{\sigma}_1^2} \sum_{i=1}^n (x_i - \bar{x})^2) \}_{\hat{\sigma}_1^2 = \frac{1}{n}\sum_{i=1}^n (x_i - \bar{x})^2}} \\
 & = & ( \frac{\hat{\sigma}_1^2}{\hat{\sigma}_0^2})^{\frac{n}{2}} \\
 & = & ( \frac{\sum_{i=1}^n (x_i - \bar{x})^2}{\sum_{i=1}^n (x_i-\mu_0)^2} )^{\frac{n}{2}} \\
 & = & (\frac{\sum_{i=1}^n (x_i - \bar{x})^2}{\sum_{i=1}^n (x_i - \bar{x} + \bar{x} - \mu_0)^2})^{\frac{n}{2}} \\
 & = & (\frac{\sum (x_i - \bar{x})^2}{\sum (x_i-\bar{x})^2 + n(\bar{x}-\mu_0)^2})^{\frac{n}{2}} \\
 & = & (\frac{1}{1+ \frac{(\bar{x}-\mu_0)^2}{\frac{1}{n}\sum (x_i - \bar{x})^2}})^{\frac{n}{2}} \\
\end{eqnarray}
}

ここで、 t^2 = (\frac{\bar{x}-\mu_0}{s/\sqrt{n-1}})^2, s^2 = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^n (x_i-\bar{x})^2として

 {
\begin{eqnarray}
\lambda & = & (\frac{1}{1+(\frac{\bar{x}-\mu_0}{s/\sqrt{n-1}}\cdot \frac{1}{\sqrt{n-1}})^2})^{\frac{n}{2}} \\
 & = & (\frac{1}{1+\frac{t^2}{n-1}})^{\frac{n}{2}}
\end{eqnarray}
}

となる。よって棄却域W^*

 {
\begin{eqnarray}
W^* & = & \{ (X_1,\ldots,X_n) ; \lambda < k \} \\
 & = & \{ (X_1,\ldots,X_n); (\frac{1}{1+\frac{t^2}{n-1}})^{\frac{n}{2}} < k \} \\
 & = & \{ (X_1,\ldots,X_n); 1+\frac{t^2}{n-1} > k^{-\frac{2}{n}}\} \\
 & = & \{ (X_1,\ldots,X_n); |t| > \sqrt{(k^{-\frac{2}{n}}-1)(n-1)} = c \}
\end{eqnarray}
}

で与えられる。ここでc

 P((X_1,\ldots,X_n) \in W^* | \mu = \mu_0) = \alpha

 P(|T| > c | \mu = \mu_0) = \alpha

によって定められH_0のもとでT=\frac{\bar{X}-\mu_0}{S/\sqrt{n-1}}は自由度n-1t分布に従う。
よって

 P(|T| = \frac{|\bar{X}-\mu_0|}{S/\sqrt{n-1}} > t_{n-1} (\alpha/2) ) = \alpha

よりc = t_{n-1} (\alpha/2) とすれば良いことが分かる。
以上より棄却域

W^* = \{(X_1,\ldots,X_n); \frac{|\bar{X}-\mu_0|}{S/\sqrt{n-1}} > t_{n-1} (\alpha/2) \}

で与えられる。

参考文献

鈴木武・山田作太郎(2006)『数理統計学-基礎から学ぶデータ解析-』内田老鶴圃.
国沢清典(2012)『確率統計演習2-統計』培風館.

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